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久しぶりに会ったお父さん

GWの前半のふとした時に、
父親像について考えることがあった。
そのときに思い出したことを書いてみる。

小学4年生のときに、
私は作文コンクールに入選した。
受賞作の内容は、
家に寄り付かなくなった父親が、
久しぶりに帰ってきたときの話。
よくそんなテーマで書いたなぁと。

小学校3、4年生の頃から
別宅を構え、家に帰ってこなくなった父親。
当時の自分は、
父親は中小企業の社長だから
忙しくて帰ってこないんだと思っていた。
家にいた頃の父親は、怖いけど面白い存在。
一緒に風呂に入ると、
頭からバシャッとお湯をかけられるところ、
酒に酔うとモノにあたりながら、
ヒゲが伸びた顔でスリスリとされるところが
ニガテだったが、
なんか憎めなくて好きだった。

いわゆる仕事人間だった父親は、
色んな人から頼りにされていて、
何でも自分で背負い込むタイプ。
自宅から車で30分のところに会社があったのだから、
今思えば家に寄り付かなくなった理由は
多忙ではなく、別にあるのだろう。

そんな父親のことを、つづった作文。
私はそのしめくくりを、
「次にいつ父親と会えるかは分からない…」と
まとめていたのだが、
後日、受賞作の作品集を見たところ
担任Yの手により
「単身赴任の父親へ─」というサブタイトルが勝手につき、
さらに文末が「そんなお父さんが大好きです」という
一文に変わっていたのだ。
もちろん父親のことは好きだけど、
それをストレートに出すことができない微妙な気持ち、
母親のことも気にしながらひねり出したまとめを、
陳腐なフレーズで塗りつぶされた感じがして、
相当傷ついた。

以上の件を振り返るたび、
“この父親のDNAが自分にも”と
色んな点で背筋が伸びるのとともに、
いくら上がってくる文章が「?」でも、
文意を変えるほどの朱書きをしちゃダメと思うのだ。

そんな思い出から28年─。
作文に登場した初代父親は、
相変わらず男やもめを謳歌しつつも、
人の良さにつけこまれ
事業で借金を背負って苦労しているのだとか。
プライドがあるのだろう、
私からの電話には一切出てくれず、
「久しぶりにも会えないお父さん」状態である。

考えてみると、
当時の父親と今の自分は、社会的な立場や
物の考え方がとても似ている。
背中が見えなくなって結構な時が経つが、
老いた現在の姿を知らないから、
いつまでもエネルギッシュに輝くその幻影に
必死で追いつこうとしているのかも。
もちろん、ある部分では反面教師としながら。


お互い死ぬまで生きて、またどこかで。

Photo1_20120501230035.jpg
[↑]跡を濁さず飛び立った初代父親が
   サンタとして息子に贈ったエポック社のゲーム機
    電池を入れたら動いた!
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