夏の終わり

小学生の頃、夏休みになると毎年楽しみにしていたことがありました。

家の庭に大きなイチジクの木があって、夏になるととても甘い実をつけてくれました。
毎日熟れた実が5個、多い日で10個ほどとれる大きな木でした。

小学校、中学校、高校と毎年楽しみにしていましたが、高校になるくらいには木も弱ってきて以前のようにたくさんはとれなくなりました。
でも、実はとても甘く上等なものでした。

高校を卒業して2年ほど経った頃でしょうか。ある夏の終わりの日。
朝、部屋に入ってきた母親に話かけられました。


「イチジクの木知らない?」と。


この辺りの記憶はあやふやです。寝ぼけていたせいでしょうか。
気がつくと、12時を過ぎていました。
この日は休みだったため、母親に起こされることもありません。
あれ?さっきのは夢だったのかと思いました。

一階におりると母親が椅子に座っていました。
夢の中のイチジクの木のことが気になったので、聞いてみると


「イチジクの木がなくなった」


と言われました。

意味がわかりませんでしたが、急いで外に出てみると庭の真ん中にあったはずの木がなくなっていました。

2mは越えていた木でした。
複数人の犯行でしょうか。
一夜にして忽然と消えていました。

夏の終わりになると、毎年思い出します。何年経っても不思議で仕方がないです。
もしかしたらなくなったのは夢で、今で庭の真ん中には木が生えているのではないかと思います。

誰かイチジクの木知りませんか?
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